【大学講義①】『薬』が原因で難聴になることはありますか?

帝京平成大学 薬学部で『耳の遠い高齢者とのコミュニケーション』について講義をさせていただきました。

 

『難聴』と聞くと、おそらくメディアの影響で『突発性難聴』をイメージする方が多いと思いますが、難聴をともなう病気は様々です。
【難聴をともなう病気】

•メニエール病
•神経性難聴(聴神経腫瘍)
•加齢性難聴
•突発性難聴
•薬剤性難聴
•中耳炎(急性・滲出性・慢性)
•耳硬化症
•耳管狭窄症
•騒音性難聴 等

 

なかでも、『薬』が原因で難聴になるケースは気付きにくいため、今回の講義では、『薬剤性難聴』についてお伝えしました。

 

薬剤性難聴はストレプトマイシンによる『ストマイ難聴』が有名ですが、実は、他の抗生剤(アミノグリコシド系)、抗がん剤、利尿剤等、今でもよく使われているお薬で難聴になるケースもあります。

 

これは投与した全ての患者さんに必ずこの副作用が出るというわけでなく、年齢、性別、投与量、代謝機能、遺伝的要素によって、副作用の起こりやすさが異なりますので個人差があります。

 

もし副作用が出た場合には、すぐに投与を中止しますが、中止して改善するお薬もあれば、『不可逆的』な副作用、つまり、中止してもどんどん聴力を悪化させてしまうお薬もあります。
このようなお薬の副作用を100%防ぐことは難しいですが、もしご家族にアミノグリコシド系抗生剤(ハベカシン、カナマイシン、硫酸ストレプトマイシン、ゲンタマイシン等)が原因で難聴になった方がいる場合、遺伝的にこのお薬によって難聴を発症しやすいケースもありますので、医師、薬剤師に必ずお伝えください。

 

事前に医師、薬剤師にお伝えすることで副作用のリスクを減らすことができますので、難聴の予防の一つとして、ご家族に難聴の人がいる場合は『薬剤性難聴』ではないか確認することも重要です。

 

このような副作用は、他の薬剤でも同じようなことが言えますので、もしご家族に薬剤アレルギーがある場合は、ぜひ把握しておくことをお勧めします。

 

 

 

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